延命か、死か。

おばあちゃんがご飯を食べなくなった。
衰弱して、入院して、点滴を打った。

痴呆になってからもう数年経つ。
孫を忘れ、たまにしか会わない息子を忘れ、世話をしている息子、嫁を忘れ。
おむつをはき、ご飯を何度も食べ、生活のほとんどを忘れた。
それでも好きな歌を歌い、詩を詠んだ。
それは先週も歌っていたそうだ。

それが今はご飯を食べなくなり、衰弱し、点滴を打っている。

点滴を打てば元気になるが、打てばいいものではないらしい。
老衰した体に無理矢理点滴や、胃瘻をすると心臓への負担が大きい。
おばあちゃんは常に息切れの状態になり、苦しむ。
もちろん寝たきりになり、手でいたずらしないよう、手の自由もなくなる。

それをしないならば、自然に任せる。
つまり食べないなら、そのまま。
飲まないなら、そのまま。
老衰して、死ぬ。

ボケてるとはいえ、声をかければ頷いて反応する。
嫌な事をすれば、嫌がる、怒る。
症状の話しをしているとき、今後の話しをしている時は、ずっとしかめっ面だった。

 
延命か

 
死か。

 

 
友川カズキ/生きてるって言ってみろ

Leave a Reply